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Public Policy Method(1)

昨日今日と、最後のモジュールであるPublic Policy Methodの授業がありました。授業中は退屈だったりくたびれたりするのですが、もう終わりと思うと名残惜しいです。学校というのはそういうものかもしれません。一方、イギリスの「学位」だけが目的であるギリシャ人の兄ちゃんはせいせいしている模様。合理的な奴。

この授業では修士論文を書く際のMethodology(方法論)を教えます。どの程度までやるのか(統計学とか社会調査法とか)と思っていたのですが、前半は実際の調査をいくつか見て、リサーチとは何かを理解するというものでした。例として、子供達が主体的に学校の改善に取り組むことによりどんな成長を見せるのかを調査したものと、Audit Commissionのリサーチが紹介されました。

学校の改善の調査は、INLOGOVのリサーチフェローであるMs.BokhariがMartin Willsと共同で実施したもので、18ヶ月、毎回の子供たちのミーティングに同席して観察調査するという手間のかかったものです。理論の枠組みからきちんと構成されており、論文らしくて面白かったです。論文らしいというのも変ですが。
監査委員会のリサーチでは、Policy Research and Studiesのシニアマネージャーが来て講義しました。監査委員会は監査を行うだけでなく、様々な調査を実施しています。おそらくは少し前からですが、イギリスでは"Evidence based policy (decision) making"を導入する動き(又は願望)があるようです。つまり、ただの前例踏襲や政治家・官僚の経験による政策決定ではなく、データやリサーチに基づいたいわば合理的な政策決定を行おうというものです。そのベースとなるリサーチが求められているようです。なので、アカデミックの行う調査とはだいぶ毛色が異なり、もっと学問的分野に貢献するような調査を行うべきだ、いやそもそも目的が異なるのだから必要ない、といった議論があったようです。最近では、アカデミックの構築したセオリーやフレームを使うなどの動きもあるようです。一方で、シニアマネージャーの人は、「最近は効率化の参考になるようなデータが重視される傾向にある」と言っていました。調査には必ず目的があるので、効率化に役立てたいとか、政策決定に使いたいという目的があるのは当然ですが、何となく、イギリスでは純粋なアカデミック調査よりも「役に立つ調査」にとても軸足が置かれている印象がします。まあ、貴重だけど何の役に立つかわからないデータを集めるのも意味ないんですが。

ちなみに私はこういった合理的決定というものをほどほどにしか信じていません。これは私の前のボスが優秀だが野生の勘的政策決定の男だったから、ではなく、データやリサーチの後には必ず主観的な判断と決定がある、と明治大学のガバナンスで習って目からウロコだったからです。これは行政評価の話で出たのですが、財政担当課は当初、行政評価を実施すれば、その結果を見ていわば自動的に廃止すべき事業がわかる、と期待したようです。しかし、いま業績が悪い事業に対して、廃止するか、もっと資源を突っ込んで改善を図るかは決定の問題であって、評価結果から単純に導かれるものではない、という話に非常に納得しました。データやリサーチを決定の材料にする、程度の合理性であれば、Evidence based policy (decision) makingもいいと思います。

ところで監査の潮流といい、イギリスは何となく「合理性」というものに対する信仰心が厚いような感じがしています。リーダーシップの専門のBriggs教授が、「西洋では合理性が重視され、東洋の『直感的な(intuitive)』リーダーシップはあまり注目されなかったが、最近見直されている」と言っていました。まあ、前のボスの野生の勘もどうかと思うんですけどね。

このほかには、質的調査・量的調査とはなど、割と基本的な事項についての講義がありました、私の印象としては、いわば論文の入門編(修士論文レベル)といった感じでした。PhDの人の話を聞いていると、Methodologyは猛烈に、徹底的に問われるところだそうなのでどんなものかなと思っていたのですが、受講者が実務家ということもあり、少しゆるめにやっているのかなという印象を受けました。って、えらそうに言っておいて後で大変な目に遭ったりしそうですが。1日目はこんな感じでした。

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2009年からバーミンガム大学大学院に留学をはじめました。これからバーミンガム大学を目指す方・40歳を超えて留学しようという方のために、おぼえがき的に少し残しておこうと思います。

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